三橋 そう、肌着は全く破れてはいなかった。懐に滑り込むように飛び込んできて、痛みは衝撃の打撲痛だったのです。夕闇の中に金属片を透かして見ると、「U・S
AIR FORCE No.…」と刻印されていました。数年前に、ある人に言われたことがありました、「三橋さん、あなたは幸運ではないけれど、強運の人です」って。こういう戦地の体験を振り返ると、全く、我ながら“強運”だと思いますよ。
敵機が行ってしまった後に切り株の反対の側を覗いてみると、さっきまで寝ていたニッパ小屋は跡形もなく吹き飛んでいて、すぐ側に十数メートル径のすり鉢状の大穴があいていて、切り株の肌には鋭い金属片が無数に突き刺さっていました。