今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2003年9月:「安保 徹」さん

安保 徹

安保 徹(あぼとおる)さん

1947年青森県生まれ。東北大学医学部卒。現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授。1996年、白血球の自律神経支配のメカニズムを初めて解明。ほかにも、免疫関連で世界中をうならせる発表を次々と行っている。免疫について対談形式で非常にわかりやすくまとめた「免疫学問答」(河出書房新社)はベストセラーに。ほかにも、「未来免疫学」(インターメディカル)「医療が病いをつくる-免疫からの警鐘」(岩波書店)「免疫革命」(講談社インターナショナル)など著書多数。

『自律神経が教えてくれる自然界のリズム。 現代人はもっとリラックスした方がいい。』

病気は自然の力でなり、自然の力で治るもの

中 川:
免疫というとても難しいテーマを、先生は非常にわかりやすく説明されていて、ご著書を読ませていただきましたが、『ああ、なるほど』と納得することができました。
特に、心と免疫力はとても関係があって、病気になるのも健康になるのも心次第ということを、医学的にお話されているのが興味深かったですね。医学の話というよりも、人生論みたいな、奥深いものを感じました。
安 保:

ありがとうございます。私はこう思っています。たぶん、2000年とか3000年前、鉄が使われるようになって、畑を作って定住するようになって、人間は富を獲得しました。以来、富を得ることに心が移ってしまって、自然とともに生きることを忘れてしまった。そんなところへキリストやお釈迦様が出てきて、心の問題をないがしろにしたら破綻をきたすよと教えてくれた。
今がまさに、そういう時代です。
科学が一見進歩して、立派な家も作れるし、新幹線も走るし、飛行機も飛ぶ。薬もいっぱいできてきた。いいことばかりのように思えるけど、実はそうじゃない。
逆に、問題ばかりが多くなっている。
そう思いませんか。
中 川:
その通りですね。先生の専門である医学の分野も、進歩しているように見えて、実際には治せない病気がいっぱいあるわけですからね。
安 保:
治せないし、逆に病気を作っていると言ってもいいかもしれない。このグラフを見てください。透析患者の数です。どんどんと増えているわけですよ。
ガンもアトピー性皮膚炎も潰瘍性大腸炎も膠原病も、爆発的に増えている病気の多いこと。
今は、病院へ行くと病気になってしまう。そんなおかしな時代になってしまいました。
中 川:
すごいですね、このグラフ。私たちが奈良の生駒でやっている5日間の研修講座にも、たくさんの難病の方が見えますから、病院で治らない病気がどんどんと増えていることは実感と
してもっていましたが、こうしてグラフを見せられると、あらためて驚いてしまいますね。
安 保:
病気というのは自然の力によってなり、自然の力によって治るものです。それを薬で治ると思ってしまったことに間違いの発端がある。人間様の力で治してやろうということになったからおかしくなった。
腎臓が悪くなって病院へ行くと、水をとらないようにという指導がなされ、むくまないように利尿剤が出されます。腎臓に負担をかけないようにという理由なのですが、水をとらずに利尿剤を飲めばどうなりますか。すぐに脱水症状を起こします。逆に腎臓の大きな負担になり、血液がドロドロになってしまう。
そんなことするから、数週間で透析になってしまうわけですよ。
ちょっと考えればだれでもわかることを、医者は平気でやっているんです。
アトピー性皮膚炎は、抗原を外へ出そうということで発しんができるわけです。抗原が全部外へ出れば治ってしまう。しかし、病院へ行くと、体の排泄反応をステロイドで止めてしまう。せっかく治ろうとしているのにストップをかけてしまうのです。
そうやって治る病気も治らないようにしてしまうのが、今の病院での病気治療の実態です。
中 川:
私どもも、痛みとか発熱とかかゆみといった症状は病気が治るために起こっているのだということをお伝えしています。
体が苦痛に感じることを悪者として、何でも排除してしまおうという考え方が、かえってやっかいな結果を生み出していますね。
痛みを排除しようとせず、『これは体が治るためのものだ』と感謝の気持ちで受け入れると、病気そのものの回復も早くなっていくから不思議ですね。
安 保:

それは不思議でも何でもない。理屈に合ったことです。
たとえば、しもやけは赤くはれ上がって、血液が集まってきて、熱っぽくなって治っていきますね。このときに、すごいかゆみがあるわけです。
どうしてそうなるのかと言うと、壊れた組織を修復するには血液が必要です。体は、しもやけになった部分に血液を集めて治そうと働くのです。だから、かゆくなってきたら、もうすぐ治るんだと喜ばなければならない。
でも、病院へ行ったらどうなりますか。
薬が出される。その薬というのは、血流を止める作用をもっている。血流を止めて、治ろうという力を弱くすればかゆみがなくなる。そんなことをやっているわけですから、何年たっても、しもやけは治らない。

(後略)

(2003年6月25日  新潟大学医学部にて 構成◎小原田泰久)

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